「勝手にデカいクルマ選手権」乗用車最大級は幅2065mmのキャデラック

「勝手にデカいクルマ選手権」乗用車最大級は幅2065mmのキャデラック

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 輸入車がどんどんデカくなるもんだから、国産車もどんどんデカくなっている昨今。そんななか日本で売っている新車のなかで、もっとも幅広なクルマが4代目キャデラック・エスカレード。初代はギリギリ2m以下でしたが2代目以降は2m超え。こんなクルマで下町の狭い道に迷い込んだら最後、無傷で脱出する自信がありません! 今回はそんなクルマのサイズの話です。

MJブロンディ改め永福ランプ=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

◆車幅がエスカレートしているのはエスカレードだけじゃない!

 クルマの幅が、世界的にどんどんデカくなっております! 長さや高さ的にもデカくなってるけど、道路には幅ってもんがあるので、一番ダイレクトに困るのが車幅であります!

 実は、長さに関しては多少なりともタガがある。中国では、全長6mを超える乗用車は税金がガバッと高くなるとかで、かのロールスロイス・ファントムEWBも、新型はあえて全長を若干縮め、ギリギリ6m以内(5990mm)に抑えたとか。中国は世界最大の自動車市場なので、乗用車の全長は6mまでというのが、今後も目安になるでしょう。

 ところで、そのファントムの全幅はというと2020mm。これが世界最大かと思ったらそうではありません。現在、日本で正規販売されている乗用車(新車)のなかにも、もっとデカいのがいくつかある。その代表がキャデラック・エスカレード。全幅2065mmであります!

 2mを超える全幅のクルマって、どんだけデカいんだと思われるでしょう。「車線、はみ出すんじゃないの?」とか。実際には、1車線の幅はおおむね3m〜3.6mあるので、そこからはみ出すことはないですが、だから余裕とも言えない。センターラインのない狭い路地もいっぱいあるので。

 ただ、実際にエスカレードに乗ると、ビビるのは車庫入れくらいで、走ってる限りそんなに困ることはなかったです。すれ違いが困難な狭い道では、たいてい相手が譲ってくれるし、ボディも真四角に近いので、見切りがとてもいい。左ハンドルのみというハードルもあるけど、それも慣れの問題だ。

 私がこれまで乗ったなかで、車幅で一番ビビッたのは、フェラーリ・エンツォ(全幅2035mm)でした。全幅はエスカレードよりちょびっと狭いけど、運転席に座ってると、ボディがどこまでも末広がりに広がってるようで、まったく車幅感覚がつかめなかった。環八走ってて、隣のクルマにスソを踏まれるんじゃないかって冷や汗がドバドバ出た。お値段とっても高いし。

 一方、ほぼ同じ全幅のランボルギーニ・アヴェンタドール(全幅2030mm)は、はるかにラク。フェラーリよりランボルギーニのほうがカタチが直線基調なので、車幅感覚がつかみやすかったのです。ノーマルより全幅の広いアヴェンタドールSV(2098mm)に乗っても、差はわからず。人間の感覚っていーかげんというか繊細というか。

 というわけで、乗用車として最大級の全幅を誇るキャデラック・エスカレードでも、幅が広すぎて実用上困ることはそんなにない。立体駐車場には入らないけど、そんなところに入れなきゃいいだけの話。

 ただ、世の中の乗用車がみんなこれくらいになったら、さすがに困ったことになるだろう。近年の乗用車の全幅拡大ぶりを見ていると、可能性はある。大衆車の代表であるVWゴルフだって、今や全幅1800mm。初代は1610mmだったので、40年ちょいで約20‌cmも広がった。つまり40年後には、2mを超えてるかもしれない!

 ところで、乗用車のサイズに制限はないのか?

 実は、普通免許で運転できるクルマには、最大積載量と車両総重量の制限があるだけで、サイズの制限は特にないのです。運行許可なく走れるサイズが、大型車含め「全幅2.5mまで」となっているのみで。

 普通免許で乗れる2トンロングワイドトラックで、だいたい全幅2.2mなので、そこらへんが限界だと信じたいけど、最後の最後は2.5mまで行くかもしれん。

 世界的な全幅拡大の潮流と、世界的なSUVブームの相乗効果で、40年後には、このエスカレードくらいのサイズがスタンダードになっている可能性だってある。せめてその時は、カタチがトラックみたく四角っぽいことを祈りましょう! フェラーリみたいな曲線美だと、冷や汗かきまくるから。

<結論>
 昔、「国産車のスタイルが悪いのは5ナンバーサイズ枠があるからだ」といわれておりましたが、今や5ナンバー枠(全幅1700mm)が懐かしい。狭いニッポン、もう一度税制で全幅にタガをはめてもいいような気がします……。

【清水草一】
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中。清水草一.com