外国人を増やす入管法改正が日本人の健康に悪影響を与える

問題法案は誰が通しているのか(共同通信社)

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 政治家たちは「国民の生命と財産を守るのがわれわれの責務だ」と口を揃える。だが、その意味をどこまでわかっているのだろうか。

 いま、この国では国民が代々受け継いできた“財産”が次々と法改正などによって外国に売り払われている。「安全な水」は奪われ、豊かな森林は丸裸にされ、コメや麦や大豆は種子ごと渡される。

 近著『日本が売られる』(幻冬舎新書)で日本の現実をあぶり出し話題を呼ぶ国際ジャーナリスト・堤未果氏が語る。

「政治家はどうすれば国民の生命財産を守ることができるかを100年単位で見通して判断しなければならない。しかし、今の日本の政治は、木材価格が高いから森林を伐採しよう、財政が厳しいから水道を売って金にしよう、人手不足だから外国人労働者を受け入れよう、と目先のことだけで法改正してしまう。その結果、制度に欠陥が生まれ、外国人や外国資本の餌食になって国益を損なっている」

 そして、国民の命を守るための「医療保険」まで外国人に食い物にされている。

 政府が国民健康保険など公的医療保険への外国人の加入条件を緩和してきたことから、医療目的で入国し、日本の健康保険を使って高額医療を格安で受けて帰国するケースが跡を絶たない。

 拓殖大学客員教授の宮崎正弘氏が語る。

「都内の病院に来日してすぐの中国人留学生がC型肝炎の治療に来たという。中国人に多いC型肝炎の治療では3か月の投与で500万円以上かかるハーボニーという薬を使うが、高額療養費制度を使えば月数万円で済んでしまう。差額は国民が支払う保険料や税金で穴埋めされる。早く手を打たなければ日本の医療保険制度が崩壊してしまいます」

 これを許したのは民主党の野田佳彦政権だ。2012年に住民基本台帳法改正が施行され、それまでは「1年以上の在留資格」が国保の加入要件だったが、「3か月超」の在留資格を持つ者に国保加入が義務化された。

 その結果、3か月を超える留学ビザで入国したり、日本の不動産を購入して賃貸し、経営者ビザを取得して来日してすぐ日本の国保に加入し、治療を受けるといった不正が容易にできるようになった。

 しかも、2016年4月の農地法改正で外国企業が日本の農地を買いやすくしたのもそれに輪を掛けた。北海道など広大な土地を中国人が購入しているが、買った農地を賃貸して経営者ビザを得るという“一石二鳥”になるからだ。

 こうした制度上の欠陥をそのままにして、政府は今国会に外国人労働者をさらに50万人拡大する入管法改正案を提出する。日本の医療保険、すなわち国民の命と健康はさらに脅かされる。

『日本が売られる』の著者・堤氏は、執筆にあたって政府の資料や国会議事録を読み込んだという。

「国会の委員会では、各法案について野党議員がしっかり調べ丁寧な質問を投げていた。本来、その議論をもとに法案が成立すれば国民生活にどんな影響を与えるかのメリットやリスクを報じるのはマスコミの役割だが、国民が知るべきことがまともに伝えられていないのが問題です」

 その結果、国の大きな政策変更が行なわれても、国民がそれに伴う変化に備えることさえできないという状況を迎えようとしている。

※週刊ポスト2018年11月16日号