おい鬼太郎!ぬっと夜道に影が それはきっと…

 「ゲゲゲの鬼太郎」の作者、水木しげるさんの出身地・鳥取県境港市にある水木しげるロードが今年7月、リニューアルされた。夜も楽しめるようになったという道を、境港を訪れるのが3回目の鬼太郎ファンの記者(35)が歩いた。

 鳥取県のJR境港駅近く。秋の夕暮れ時。裸電球を模した電灯にあかりがともり、点滅を始めた。ほのかな光を見上げていると、近くにいた同県米子市の泉晴斗君(4)が地面を指して叫んだ。「出た出た! 見えた」

 視線の先には、ぼんやり光る直径2メートルの輪。中に「ゲゲゲの鬼太郎」の作者で境港出身の水木しげるさんが描いた妖怪「べとべとさん」の影絵が浮かんでいた。

 影絵は、境港駅から水木しげる記念館まで東に800メートル続く「水木しげるロード」で、今年7月から始まった取り組みだ。水木さんが描いた177体の妖怪の像が立ち並ぶこの道で、日の入りから午後10時まで映しだされる。

 晴斗君は、これまでここを数回訪れていたが、影絵を見るのは初めて。祖母明子さん(60)は「町の雰囲気が変わっていて驚いた。こんなに夜が楽しめるなんて」。

 妖怪で観光地化には成功した。さらに夜も楽しめるまちにしたい――。そんな思いから地元が着目したのが「逢魔時(おうまがとき、妖怪が現れる時間)」だった。

 多くの妖怪画を残した浮世絵師鳥山石燕(とりやませきえん)が、昼から夜へ移り変わる時間をこう表現した。12月8日の境港の日の入りは午後4時54分。闇が訪れた後も、多くの人がこの道に姿を現すようになった。

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