店舗の買い物でもLINEポイント ストライプ、ビックカメラが導入

SHOPPING GO

スマートフォンでバーコードを提示すると、LINEポイントが貯まる「SHOPPING GO」が12月7日にスタートした。

  • 「SHOPPING GO」は、実店舗での購入でLINEポイントが貯まる新サービス
  • オムニチャネル化を進めるストライプインターナショナルは、新規顧客獲得のために採用
  • 今後、リアルタイムでポイントアップ店などの通知する機能も検討

LINEは12月7日、実店舗での購入に応じてLINEポイントを付与する「SHOPPING GO」の開始を発表した。7日時点での対象店舗はストライプインターナショナルのファッションブランド「earth music&ecology」の国内286店舗のみ。2018年内にはビックカメラグループ(ビックカメラ、コジマ、ソフマップ)への導入も予定している。

SHOPPING GOはどのような仕組みなのか。また店舗側はどのような問題の解決をLINEに期待しているのだろうか。Business Insider JapanはSHOPPING GOを担当するO2O事業室副室長の藤原彰二氏と、ストライプインターナショナルの常務執行役員である山崎茂樹氏に話を聞いた。

ポイントの多重取りができるオフライン版「LINEショッピング」

SHOPPING GO画面

提示するバーコードは対応店ごとに異なるので、SHOPPING GOの画面を表示して現在地付近にある店舗情報から絞り込む。

購入するユーザー側から見たときSHOPPING GOの利用の流れは、非常にシンプルだ。

該当店舗の近くに向かった際、ユーザーはLINE上のSHOPPING GOの画面を開く。すると、スマートフォンの位置情報を利用し、画面上には付近にあるSHOPPING GO対応店舗の該当バーコードが表示される。あとはバーコードを会計の際に、店員に見せるだけでいい。LINEポイントは後日付与され、スタンプの購入やLINE Pay残高へのチャージに利用できる。

SHOPPING GOでスキャン

バーコードは会計が終わる前にレジで提示する。

LINEポイントが貯まる

無事会計が終わると、通知が届き獲得予定のポイント数がわかる。

ちなみに、earth music&ecologyの場合は、すでに「STRIPE CLUB」の会員ポイント制度が存在するが、SHOPPING GOとの同時利用は可能。さらに、対応店舗であればNTTドコモの「d払い」、楽天の「楽天ペイ(アプリ決済)」を使えるのでそれぞれの共通ポイントやクレジットカードのポイントも獲得できる。

このようなポイントの多重取りができる仕組みは、すでにLINEの「LINEショッピング」でも実現されている。LINEショッピングはECサイトでの買い物でポイントが貯まるサービスなので、まさにSHOPPING GOはオフライン版LINEショッピングと言えるだろう。

導入のきっかけは新規顧客に響かない自社会員制度

ストライプインターナショナルとLINEの担当者

写真左からストライプインターナショナルで常務執行役員・デジタルトランスフォーメーション本部長を務める山崎茂樹氏、LINEのO2O事業室副室長の藤原彰二氏。

では、earth music&ecologyのように既存の会員制度がある企業にとって、新しくLINEを入れる必要はどこにあるのだろうか。ストライプインターナショナルの山崎氏はSHOPPING GOに期待することを「新規顧客獲得」であると言い切る。

ストライプインターナショナルは、現実世界とインターネットで隔たりなく様々な接点で顧客とつながるオムニチャネル化を進めている。オムニチャネルの環境を整備するにあたって同社は実店舗とECサイトどちらで売れても平等な人事評価が行えるよう社内制度の変革などを行ってきた。

STRIPE CLUB

ストライプインターナショナルは、自社ECサイトと各自社ブランドの実店舗で共通のポイントサービスを既に持っている。

そのオムニチャネル化に伴う変革の中で、表面化してきた問題の1つが“オムニチャネルでどのように新規顧客を獲得するか”という点だ。

オンラインであればウェブの仕組みを使い、最適なサイトや最適な属性を持つ人に対し広告を打つことができる。ただ、オフラインでは従来、ダイレクトメールやTV CM、店頭での声かけなどツールは限られており、またそれぞれのツールがどのぐらい効果があったかは計測できなかった。

そのため、ストライプインターナショナルも含めて小売り各社はオンラインでもオフラインでも使える会員やポイント制度を立ち上げているわけだが、LINEの調査によるとそうした施策は全購買者の5%ほどと言われる“ロイヤルカスタマー”にしか響いていない。ストライプインターナショナルの場合も、実態はその程度の認識と山崎氏は話す。

earth music&ecologyの店舗では、一定の時間毎にどのぐらいの来客数があり、そのうちSHOPPING GOを含めた各種ツールの利用状況はどのぐらいか、という内容を逐次本社へ報告しているといい、ストライプインターナショナルとしてはSHOPPING GOの導入で新規顧客率を20%ほど増加させたい狙いだ。

先行するLINEショッピングの新規ユーザー率は89%

LINEショッピングのトーク画面

筆者のLINEショッピングのトーク画面。これらがパーソナライズ化されているかはわからないが、テクノロジー好きの筆者には家電やガジェット系のキャンペーン通知が多い気がする。

SHOPPING GOはそんな要望を満たせるツールなのか。LINEの藤原氏は「LINEはいつも送客に強い」と自信を見せる。

実際、藤原氏が合わせて担当するオンラインのLINEショッピングの新規ユーザー率は最大89%。流通額も年々増えており、2018年に1000億円を突破した。「2019年には2000億円規模まで成長させたい」と藤原氏は語る。

LINEショッピングが新規顧客に強い理由、それは他のLINE系サービスにも共通する、7800万人の膨大な顧客基盤。そのうち相当数のアクティブユーザーに対し、適切なアプローチを行なう「プッシュ配信」の仕組みだ。

例えば、LINEショッピングの公式アカウントでは、随時ポイントアップ中のECサイトなどのプッシュ通知を行っているが、これは一部を除いてユーザーがLINEショッピング上でそれまで購入していた商品などの傾向データをもとにパーソナライズ化した通知となっている。

さらに、大幅なポイント還元施策をきっかけにLINEショッピングは新規ユーザーを獲得。ホーム画面上にショートカットアイコンを置かせてLINEショッピングページへのリピート率を上げ、「LINEを通せばよりおトクに買い物ができる」という認識を定着させている。

SHOPPING GOでは位置情報の活用もキーに

SHOPPING GO

SHOPPING GOは、今後より現実世界でのリアルな購買体験を提供する仕組みを備える。

現実世界でのSHOPPING GOでは、LINEショッピングの同様のスキームだけではなく、より現実の情報との掛け合わせが重要となってくる。

まだ、現時点では対応していないが、藤原氏によると「ユーザーが外出した際に、周辺のポイントアップ施策をしている店舗をプッシュで紹介する機能なども検討している」と話す。

なお、現在地情報に関する機能は、LINE本体の利用時にユーザーが同意している場合のみ有効となる。現時点で、自分が位置情報の利用に同意しているかどうかは、LINEアプリの設定にある「プライバシー管理」から「情報の提供」画面を開き、「位置情報の取得を許可」のチェックの有無で確認・変更が可能だ。

いずれにせよ、LINEは自社の持つO2O(Online to Offline)サービスと位置情報、モバイルサービスの活用ノウハウを活かし、ユーザーにはポイントでおトクな体験を、店舗側にはより効率的な集客ツールを提供し、自社収益の拡大を狙っている。

(文、撮影・小林優多郎)

編集部より:初出時、SHOPPING GO担当者の名前と肩書きを間違えました。正しくはO2O事業室副室長の藤原彰二氏です。お詫びして訂正致します。 2018年12月8日 13:00