日産 15万台リコールへ ブレーキなど6項目不正

記者会見する日産自動車の本田聖二常務執行役員(右)ら=7日夜、横浜市で

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 日産自動車は七日、ブレーキやスピードメーターなど六項目で新たな完成検査の不正が見つかり、十一車種で約十五万台のリコール(無料の回収・修理)を十三日に国土交通省に届け出ると発表した。検査不正の判明は昨年秋以降四度目。今年九月に検査不正に関する最終報告書を発表し、再発防止を約束したが、その後も不正が続いていた。前代表取締役会長のカルロス・ゴーン容疑者の逮捕で揺らぎが収まらない中で、消費者の信頼回復は一層遠のきそうだ。

 石井啓一国交相は七日午前の閣議後の記者会見で「今後の日産からの報告内容を踏まえ、必要な場合は厳正に対処する」と述べた。

 不正は日産の自主点検の中で、追浜工場(神奈川県横須賀市)とグループのオートワークス京都(京都府宇治市)の二工場で見つかった。

 後輪ブレーキの制動力の検査でサイドブレーキを使ったり、スピードメーターの検査で一定の速度を維持せずに測定したりして、合否判定が不明確になったという。他にハンドルや横滑りの検査でも不正があった。

 本田聖二常務執行役員が横浜市で記者会見し、謝罪した。不正の原因について、「品質よりもコストに偏っていた」との認識を示し「うみは出し切ったと思う」と語った。西川広人社長は姿を見せなかった。

 リコール対象は昨年十一月から今年十月二十五日にかけ製造した車。小型車「ノート」や電気自動車「リーフ」などのほか、いすゞ自動車に供給している小型トラック「エルフ」や、三菱ふそうトラック・バスに供給している小型トラック「キャンター・ガッツ」も含まれる。

 日産の検査不正を巡っては昨年九月、資格を持たない従業員が検査を実施していた問題が発覚し百十四万台のリコールにつながった。

 今年七月には、燃費や排ガスの測定結果を改ざんしていたことが判明。不正を調査した弁護士らが九月にまとめた報告書では、車の全幅やハンドルの最大回転数など構造や装置を調べる検査でもデータの改ざんが見つかっていた。

<自動車の完成検査> 自動車メーカーが、国土交通相から「型式指定」を受けた車について、販売前に性能が保安基準に適合しているかどうかを調べること。ハンドルやブレーキ、ヘッドライト、燃費などあらゆる項目を点検し「完成検査終了証」を国に届ける。基準外の場合は再整備しなければならない。道路運送車両法に基づく制度。最初の「車検」を免除することで、メーカーの大量生産を可能にしている。

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