茂木健一郎氏「誰も悪くない」M1暴言騒動で見解

脳科学者の茂木健一郎氏(56)が、「M-1グランプリ」の審査をめぐる騒動を受け、「全体として見ると、誰も悪くない」との見解を示した

茂木氏は8日更新のブログで、とろサーモン久保田かずのぶ(39)とスーパーマラドーナ武智(40)が「M-1グランプリ2018」で審査員を務めた上沼恵美子に対し暴言を吐いた騒動について、「個人の中傷はよくないと思いますし、女性を蔑視したり決めつけたりする言葉は絶対に使っていけないと思います。その意味で謝罪、撤回されたことは当然だと思います」とした上で、こうした騒ぎが起きた背景について「今回、このような事態になってしまったのは、それだけ、芸人の方にとってM1グランプリが真剣勝負の場だということでしょう。人生をかけて、数千組の中からファイナリストに選ばれた方々の熱い闘い。その中で、あのような暴言が出てしまったのだと思います」と推察した。

久保田らは、上沼が自身の好き嫌いで審査しているとして不満を爆発させたが、茂木氏は自身の専門分野から「人間の脳においては、もちろん、客観的な基準やロジックに基づく思考もありますが、最初に起こるのは感情的な好き嫌いの反応で、基準やロジックはそれを後付けで説明するために用いられることが多いのです。ですから、審査員の方が、自分の好き嫌いで審査をすること自体は、悪いことではないと思います」との考えを示すとともに、「ただ、それを、好き嫌いというかたちでは表現しないで、客観性のある言葉でできるだけ説明しようとするのも、一つのやり方だと思います。それを、自分の好みで審査すると明言するのは、一つの見識ではあるし、正直ではあるし、その審査員の方の人間性がよりストレートに出てしまうのでしょう。なにしろ、好き嫌いには、その方の人生のそれまでの全部が反映された、いわば感情の履歴書のようなものですから」と持論を展開した。

「好き嫌いには、正解もないし、点数もない。ただ、その『人』がそこにいるだけです。そのようなストレートな人間性は、審査を受けたりコメントを聞く側にはより直接的に作用して感情をかき立てることもあるので、今回のような事態になることもあるのだと思います」と、騒動の原因について私見を述べ、「全体として見ると、誰も悪くないし、ただ、それぞれの人生の真剣勝負がぶつかって、こんなかたちになってしまったのだと思います。笑いの真剣勝負。人生をかけた思い」とつづった。