[体操]白井4連覇 東京金へ超越の境地

床運動の演技を終え、歓声に応える白井健三=豊田市総合体育館で(榎戸直紀撮影)

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 ▽8日▽種目別▽男子=床運動、あん馬、つり輪、女子=跳馬、段違い平行棒▽参加12カ国、地域▽愛知県豊田市総合体育館(スカイホール豊田)▽中日新聞社主催

 男子の床運動は今秋の世界選手権(ドーハ)の種目別銀メダルの白井健三(22)=日体大=が15・300点で4年連続5度目の優勝を果たした。女子の段違い平行棒では畠田瞳(18)=セントラル目黒=が13・933点で2位に入った。大会は9日まで行われる。

 点数、順位…、白井はそれらを超越した境地にいた。「難しい時期の試合だったので、あまり順位は気にせず新しい構成の中で悔いの残らない演技をしようと思っていた。点数や結果ではなく、一個一個の技に対する意識が結果的に良かった演技だった」。2位に1・75点もの大差をつけて優勝したが、見ていたのはその先だった。

 一つ一つの技、ひねりで大いに会場を沸かせた。H難度のシライ3(後方伸身2回宙返り3回ひねり)でスタートすると、11月の個人総合スーパーファイナルから取り入れた、F難度のシライ2(前方伸身宙返り3回ひねり)を含む3連続技を披露。最後もF難度のシライ/ニュエン(後方伸身宙返り4回ひねり)で着地までしっかり締めくくる。Dスコア(演技価値点)は断トツの7・1点。それでも「高いDスコアを組めるからすごいと言われるのがすごく嫌」と言い切る。

 目指しているのは、より質の高い体操。「着地や質というのも世界のトップにいるんだぞというのを、演技の中で見せたくてやってきた」と言い「しっかり出せたし、詰められるところは多い」と収穫と課題の両面を口にした。

 今季は全日本個人総合、NHK杯、世界選手権の種目別床運動、全日本団体と2位が続いたが、それすらも「悔しい試合は1個もなかった。次に進むにあたって弾みがつく1年だった」と振り返る。「今の考え方をもっともっと膨らませて、来年良い形で滑りだしたい」。誰にもできない技をより高い質で−。新しい白井健三への第一歩を豊田で踏み出した。 (川村庸介)