稀勢の里「いよいよ」進退場所へ鬼門初日へ決意表明

 「大相撲初場所」(13日初日、両国国技館)

 右膝負傷で先場所を途中休場し初場所に進退の懸かる横綱稀勢の里(32)=田子ノ浦=が12日、東京・両国国技館で土俵祭りに参加し、「いよいよ」と勝負スイッチが入った。横綱昇進後、初日黒星発進は5度あり、すべて途中休場に追い込まれている。初日、小結御嶽海(出羽海)相手に不覚を取れば一気に暗雲が漂う。命運を握る“鬼門”を前に穏やかな表情で心境を語り、決意表明した。

 稀勢の里は真っすぐに土俵を見ていた。場所の安全を祈願する土俵祭り。3横綱がそろい踏み、白鵬、鶴竜を両隣に東正横綱として“玉座”に座った。

 2年前の初場所は初優勝&横綱昇進を決め絶頂を味わった。さまざまな思いを胸に平成最後となる国技館での本場所で進退を懸ける。

 引き揚げる際、足を止め報道陣に対応した。本番前日はこれまで厳戒態勢で一言、二言だけというのが多かった。今回はスッキリとした表情。言葉数は多くはないが穏やかな口調の決意表明だった。

 「いよいよですね。前日、独特の感じがある。一日一番しっかりやるだけ。いつも通り」。笑みさえ浮かべて心境を明かした。

 “鬼門”の初日。昨年末の番付発表会見の際、本人も「初日は大事」と言い切った。横綱昇進後、出場7場所で初日黒星の場所は5回すべてで途中休場。逆に白星発進の2度は13勝で優勝、10勝と2桁勝利を挙げている。

 改めて初日の重みを問われると「(15日間)全部大事になる」としながらも「しっかり流れを作っていきたい」と集中力を高めた。

 先場所を途中休場。冬巡業を全休し下半身と患部を強化。「見つめ直した」と自身の心と向き合った。「順調にできた。あとは初日を迎えるだけ。良い年にしたい。力を出し切りたい」。再起へ最高の心身は仕上がった。

 父・貞彦さん(72)はこの日、愛息が穏やかな表情だと聞かされると「それが一番。いい緊張感」とうなずいた。今場所は多くは語らず愛息を見守るつもり。「優勝する千秋楽に国技館でお話しします」と進退問題どころか、復活Vを信じた。