全豪テニス公式球、日本企業から初採用 4大大会で初

今大会から採用された公式球を手にする住友ゴム工業テニスビジネス部の鈴掛彰悟さん=メルボルンで2019年1月14日、新井隆一撮影


 【メルボルン新井隆一】14日に開幕したテニスの4大大会第1戦・全豪オープンでは、住友ゴム工業(本社・神戸市)のテニスブランド「ダンロップ」のテニスボールが今大会から公式球として使用された。日本企業がテニス4大大会の公式球に採用されるのは史上初。大会を主催するテニス・オーストラリアとの交渉を担当した同社テニスビジネス部の鈴掛彰悟さん(43)は「(新しい公式球で)選手の素晴らしいプレーが見られるとありがたい」と感慨深げに語る。


 同社によると、歴史や伝統がある4大大会では主に欧米メーカー製が公式球に使用されてきた。しかし、欧米より距離が近いアジア圏からの観戦者を拡大したい主催者側と、アジア全体に強い流通網を持ちつつ欧米にもマーケットを広げたい同社の思惑が一致したという。


 主催者から希望されたのは、昨年までの公式球に近い品質だった。選手は経験を基にプレーすることが多く、打球感や反発力、均質性などが昨年までの品質と違うとパフォーマンスに影響するためだ。同社は日本やオーストラリアの選手らに打ってもらってテストし、数種類の試作品を何回も主催者に届けるなど試行錯誤。耐摩耗性や耐久性に優れる同社のテニスボールの特徴を保ちつつ、新たな公式球が完成した。


 大会会場にある同社のブースには開幕日から多くの観戦客が訪れた。鈴掛さんは「日本のブランドとして世界に出て行く大きな一歩。選手のことを第一に考えて開発した」と語る。錦織圭(日清食品)、大坂なおみ(同)の男女シングルス日本勢の両エースが期待される大会だが、日本企業も縁の下で支えている。