大震災から7年10か月、「命の尊さ」を深く知る女川の新成人

 東日本大震災で800人以上が犠牲となった宮城県女川町では発生当時の小学6年生が成人式を迎えました。命の尊さを深く知る新成人は、教訓を未来に伝え、復興の力となる決意を新たにしています。

 「私たちは東日本大震災を経験し、そして成長しました。あの日を経験した私たちにできることが必ずあると思います」(新成人 木村竣哉さん)

 宮城県女川町の成人式。55人が大人の仲間入りをしました。

 女川町では震災の津波で800人以上が犠牲となり、住宅の7割が全壊しました。発生翌月、新成人たちは不安の中で中学校の入学式を迎え、私服で出席しました。制服も流されていたのです。

 「とてもつらく悲しい出来事だったけど、3月11日のことを一生忘れてはいけない」(勝又愛梨さん【当時中2】)

 入学当初から授業で津波から命を守る対策を考えていた彼らは、教訓を未来に残すため、町の津波到達点21か所に石碑を建てるアイデアを生み出します。募金活動で1000万円を集め、中学3年の秋、1基目の石碑建立を実現させました。

 「もし大きな地震が来たらこの石碑よりも上に逃げてください」(碑文)

 活動は現在も続いていて、これまでに17基を建てました。

 「1000年後の命を(守る)という気持ちを合言葉にやってきているので、そこは変わらず、みんなでそこを目標に活動をやっていきたい」(新成人 山下脩さん)

 石碑の活動を続けるメンバーの1人、山下脩さん(20)。震災をきっかけに海上保安官となり、去年の春から巡視船に乗務しています。

 「地元の女川だけじゃなく、宮城、東北の海の安全を守るというのが目標。一歩一歩、大人になっていきたい」(海上保安官 山下脩さん)

 勝又愛梨さん(19)は津波で親族4人が犠牲となりました。現在、看護師になる勉強をしています。

 「こうして成人を迎えられたのは、当たり前のことではないし、生きたくても生きられなかった人もいる。女川町にどのように貢献できるかを考えていきたい」(親族4人が犠牲 勝又愛梨さん)

 祖母を亡くした木村竣哉さん(20)は東京の大学生です。

 「自分はこうありたいという信念を持って動けるような人になりたい。女川という町に胸を張って帰れるようにしていきたい」(祖母を亡くした 木村竣哉さん)

 震災から7年10か月、命の尊さを深く知る新成人はふるさとへの思いを胸に新たな一歩を踏み出しました。(14日11:36)