ファイザー、高血圧症治療剤のアムバロ配合錠「ファイザー」の自主回収(クラスI)について着手開始

 ファイザーは、高血圧症治療剤のアムバロ配合錠「ファイザー」(一般名「バルサルタン/アムロジピンベシル酸塩配合錠」以下、同剤)について、自主回収(クラスI)の着手を開始した。

 サルタン系医薬品の有効成分(原薬)に発がんの可能性のある物質(ニトロソアミン)が含まれているとの国内および海外での報告から、同社が製造販売するバルサルタンの原薬の調査をおこなったところ、同剤に使用された原薬2バッチに、規格(管理指標)を超えた微量のN-ニトロソジエチルアミン(以下、NDEA)および、規格は下回るものの微量のN-ニトロソジメチルアミン(以下、NDMA)が含有していたことが判明したことから、当該原薬を使用した、製造番号品5ロットを自主回収を行う。

 同製品の原薬の一つであるバルサルタンについては、製造所名(Mylan Laboratories Limited(Unit-8))にて製造されている。当該製造所で製造したすべての原薬バルサルタンを検査したところ、当該原薬2バッチにおいて管理指標を超えたNDEA及び管理指標以下ではあるものの、微量のNDMAが検出されたとの情報を入手したという。この2バッチが使用されている製品を確認したところ、同剤の製造番号品5ロットに該当していることがわかった。当該物質はWHOにおいてヒトに対しておそらく発がん性がある物質であると分類されている。NDMAおよびNDEAの発がんリスクが完全に否定できないため、当該原薬を使用した該当製造番号品について自主回収(クラスI)を実施する。

 昨年9月25日に開催された第8回安全対策調査会においてサルタン系医薬品のNDMA・NDEAの発がんリスクについて審議がされ、昨年11月9日付厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長・医薬安全対策課長・監視指導・麻薬対策課長発「サルタン系医薬品における発がん性物質に関する管理指標の設定について(依頼)」によって、ヒトにおけるNDMA・NDEAの健康への影響を勘案した管理指標が設定されている。管理指標では、バルサルタン製品の一日最大投与量を160mg(同剤の用法・用量は、「成人には1日1回1錠(バルサルタンとして80mgおよびアムロジピンとして5mg)を経口投与する。」であり、[用法・用量に関連する使用上の注意]の項で、「なお、年齢、症状に応じて適宜増減するが、1日160mgまで増量できる。」とされている)とされ、原薬バルサルタンに許容される限度に換算しますと、NDMAは0.599ppm(ppmは百万分率を表す割合の記号。環境中の微量物質の濃度を表すため等に用いられる)、NDEAは0.166ppmと算出されている。

 今回の原薬バルサルタン2バッチは管理指標を超える0.20ppmおよび0.23ppm(最大)のNDEAと、管理指標以下ではあるものの0.10ppmのNDMAを含有しており、発がんリスクが完全に否定できないため、自主回収(クラスI)をするとのこと。これまでに健康被害の報告はないという。また、患者の判断による同剤の服用中止は高血圧症の悪化のリスクがあるため、主治医または薬剤師に相談してほしいとのこと。

ファイザー=https://www.pfizer.co.jp/