火星で働き15年、探査車とお別れ 音信不通、回復せず

 米航空宇宙局(NASA)は13日、2004年1月の火星着陸以来、約15年にわたり火星表面を観測してきた探査車オポチュニティーの運用を終了すると発表した。昨夏に火星で大規模な砂嵐が発生した後、6月10日を最後に音信不通になっていた。8カ月にわたり復旧を試みたが、12日夜に送った信号にも応答がなく、断念した。

 オポチュニティーは03年7月に打ち上げられ、04年1月に火星に着陸した。これまでに21万7千枚以上の画像を撮影し、地球に送信。火星初の隕石(いんせき)を見つけたほか、地形や岩石の成分や構造を観測し、かつて水が存在し、温暖で生命が存在できる環境だったことが分かった。

 設計寿命は90日で移動距離も1キロ程度とされていたが、60倍長持ちし、走行距離は45キロにも及んだ。火星で起きる旋風が太陽電池パネルに積もる砂ぼこりを吹き飛ばすことで電力が確保しやすかったことや、充電池の性能が良く、5千回以上の充放電をした後でも85%の能力が残っていたことなどが理由という。

 ブライデンスタイン長官は「オポチュニティーの先駆的な仕事のおかげで、いつの日か宇宙飛行士が火星表面を歩く日が来るだろう」とコメントした。

 現在、火星表面には、NASAの探査車キュリオシティと、1カ所にとどまり火星内部の構造を調べる探査機インサイトの二つが観測を続ける。NASAは2020年に新たな探査車マーズ2020を火星に送る計画だ。欧州宇宙機関(ESA)も20年に探査車を火星に送り、生命の痕跡を探す予定だ。(ワシントン=香取啓介)