イチロー「一瞬一瞬を刻み込みたい」 7年ぶり凱旋「大好きな日本」で決意新た(スポニチ)

練習を終え、引き上げる際、チームメートに笑顔を見せるイチロー=木村揚輔撮影、スポニチ提供


 マリナーズとマイナー契約を結んでいるイチロー外野手(45)が16日、東京ドームで行われる20、21日のアスレチックスとの日本開幕2連戦を前に、記者会見と全体練習に臨んだ。17、18日の巨人とのプレシーズンゲーム(同)にも出場する可能性が高く、開幕までにメジャー登録される。会見では7年ぶりの凱旋試合に向けた決意を新たにし、練習では随所でイチローらしく準備を進める姿があった。


 投内連係が行われている最中、イチローは他の外野陣がベンチで休憩するのを尻目に、外野でダッシュを繰り返した。時差ぼけの解消方法は「太陽と汗」が持論。東京ドームでの練習とあり日光を浴びるのは無理だったが、たっぷり汗をかいた。会見で時差ぼけ対策を「何も考えていない」と話していたが、やはりイチローはイチロー。できる限りの準備を進めた。


 オープン戦では打率・080と不振が続いた。昨季は会長付特別 補佐としてフロント入りし、最後の試合は5月2日。ブランクを実感し「大変苦しみました。キャンプの結果を踏まえてここにいるのは本来ありえないと思う」と心境を吐露した。「(日本での開幕戦で)やはり日本人であることで既に勝ち組なんだな」とジョークも飛ばしたが、自らの歴史をひもといた。


 「04年に262(本)を打った翌年のキャンプでは出た試合、毎試合ヒットを打ったんですけども、始まってみれば大変苦しんだシーズンになりました。一方で春から二十何打席ノーヒットだった春のキャンプの年も結局は200本を達成して自分としてはいい年になった。そういった経験を生かして」。準備と経験値では誰にも負けない。「大好きな日本でプレーするということで気持ちも全く変わりますし、今の自分の持てる技術を見せたいと思います」と力強く話した。


 守備練習では5人の外野陣の中で唯一、右翼に入った。背面キャッチも披露しつつ、5年ぶりに張り替え、クッション性が高まった東京ドームの人工芝への対応にも抜かりはない。バウンドすると、弾まずに球足が遅くなることを確認。最後は本塁へ3球連続でワンバウンドのストライク送球を見せた。


 12年以来、7年ぶりの凱旋。ヤンキース、マーリンズへの移籍を経て、同じマリナーズのユニホーム姿で戻ってきた。


 「これはもう大変大きなギフトなので。僕にとっては。どの一瞬も大切にして、これが終わった1週間後はもう振り返る時間になるわけですから。一瞬一瞬を刻み込みたいと思っています」


 フリー打撃では元同僚で殿堂入りのケン・グリフィー氏がケージ裏で見守る中、28スイングで5連発を含む10本の柵越えを放った。


 45歳。7年前とは立場が違うことも分かっている。「メジャーリーグというのは厳しい世界ですから。いつチームからそういう(解雇の)通達が来るか分からない。そういうふうに日々を過ごし、今日もまたここ(メジャー)にいるという状態だと思いますね」。結果が全ての世界で懸命に生きてきた。イチローは「一瞬」を積み重ね、愛する日本でプレーする。 (笹田 幸嗣通信員)


(スポニチ)